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NHK名古屋が振り込め詐欺の実態描くスペシャル番組 中村蒼さんら会見

(左から)渡邉蒼さん、長村航希さん、中村蒼さん、桃井かおりさん、イッセー尾形さん

(左から)渡邉蒼さん、長村航希さん、中村蒼さん、桃井かおりさん、イッセー尾形さん

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 「NHK名古屋放送局」制作の番組「詐欺の子」が3月23日、NHK総合テレビで全国放送される。放送に先立ち2月6日、出演の中村蒼さん、長村航希さん、渡邉蒼さん、イッセー尾形さん、桃井かおりさんが同局スタジオで会見を開いた。

 1日の被害額が1億円にも上るとされる「振り込め詐欺」に関わる若者たちをテーマに、「NHKスペシャル」として放送される同番組。複数の実際の事件を基にしたドラマに、関わった人たちの証言を織り交ぜたドキュメンタリーを盛り込み、振り込め詐欺に手を染める若者たちの実態を描き出す。

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 詐欺を行う「かけ子」のリーダー大輔を中村さんが主演。長村さんは大輔の親友で金を回収する「受け子」を乗せる車を運転する元宏、渡邉さんは犯罪意識がないままに受け子になってしまう中学生・和人、イッセーさんは詐欺に関わった若者を弁護する国選弁護士・河北、桃井さんは振り込め詐欺の被害にあった過去を持ち、グループの逮捕に協力する女性・光代を演じる。撮影は1月8日にクランクインし、名古屋市内および近郊などでロケを行っている。

 5人は撮影が行われている法廷のセットに登場し、それぞれの演じる役などについて語った。中村さんは「これまで特殊詐欺を意識したことはなかったが、いつ自分や周りの人に振り掛かってきてもおかしくないほど身近に潜んでいると感じた。複数の事実を基に作られたドラマなので、説得力のある内容になった。見ていただいた皆さんの心に何か引っ掛かる作品になっていると思う」と意気込む。

 「地元名古屋での撮影で、とてもうれしい」と話す名古屋出身の長村さん。「友人と遊んでいるようなノリや普段の生活のついでで、罪の意識がないままに詐欺を行う若者がいることを実感した。怖いことだと思いながら演じている」と話す。「初めての名古屋で、撮影の合間に名古屋めしや観光も楽しんでいる」という渡邉さんは「和人は僕と同じ14歳。監督には、あまり詐欺について勉強をしたり、台本を読み込みすぎたりせず、リアルな14歳を演じてほしいと言われた。いい意味であまり考えすぎずに芝居をしている」と振り返る。

 イッセーさんは「NHKのニュース番組の『SPOT詐欺』というコーナーをいつも見ているが、毎回取り上げる手口が違う点に驚く。今回はドキュメンタリーとドラマを両方取り入れている。ドキュメンタリーだけでは捉えきれない、心の揺らぎといったところまで迫る試みになっている。人の想像力という大切なものを道具にしてだますことは許せない犯罪だと思う」と厳しい表情を見せる。桃井さんは「お金をだまし取られたのに、息子の声も分からないのか、そんなにお金があったのかと、いろんなことを言われ、すぐに知れ渡ってしまう時代。本当に辛いことは『簡単にだまされてしまったのだ』と認めざるを得ないことだと思う。今回は、だまされていても、それが本当だったのだと信じたい女性を演じている。監督には、本気で私をだましてとお願いして撮影に臨んだ」と話す。

 同放送局制作部で演出を担当した川上剛さんは「最初はドラマのみで企画していたが、事実を基にしていても『うそでしょ』と言われるような現実があった。ドキュメントで実際に起こった事実、ドラマで関わった人たちの感情を描き、クロスフェードさせて一体化した。今、日本で何が起きているのかというリアリティーを伝えたい」と呼び掛ける。

 放送は21時から。

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