愛知県、スタジオジブリ(東京都小金井市)、中日新聞社(名古屋市中区)が5月31日、愛知県庁で「ジブリパーク」開設に向けた整備構想についての基本合意書締結を行った。
この日は、大村秀章愛知県知事、の鈴木敏夫「スタジオジブリ」プロデューサー、大島宇一郎中日新聞社社長が出席。ハード面の整備は公園事業として県が、デザイン制作などはスタジオジブリが、管理運営は中日新聞社が担う。今後、スタジオジブリと中日新聞社が出資して運営会社を設立する予定という。
「ジブリパーク」では全5エリアを予定。来園者を迎え導くジブリパークの象徴「青春の丘エリア」、ジブリ作品などの保管・保存、展示と遊びと憩いの空間「ジブリの大倉庫エリア」、映画「となりのトトロ」の「サツキとメイの家」を中心にした自然空間「どんどこ森エリア」、あいちサトラボと一体になった体験の場「もののけの里エリア」、映画「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」など北ヨーロッパの空間を整備イメージで、ジブリ作品の体験を通じた展示と遊び、休憩などの複合的空間「魔女の谷エリア」で構成する。着工は2020年からを予定する。
「ジブリパーク」のロゴと新しい図面ついて、鈴木さんは「『ジブリ』は宮崎駿さんがもともと書いたもの、『パーク』は私が宮崎さんの文字を真似て書き足したもの」と話す。
大村知事は「県が主体となり、三者で1年間かけて詳細設計やアクセス対策などいろいろと詰めながら全体の事業費を出していく。ジブリは圧倒的なコンテンツ力、バリューがある。世界に類を見ない唯一無二の公園を作っていきたい。世界中からたくさん人が来てくれると期待している」と話す。
鈴木さんは「ジブリのテーマパークだがあくまで公園。今まで公園を使っていた方の邪魔はしない。平地にして作るのはつまらないので、公園のアップダウンや既存の施設など生かしながらエリアを作っていく」と話す。「東京には森の中に建つ大学があり、施設が森の中に点在している造り。そういう(デザインも)良いかもしれない」とデザイン構想を匂わせる言葉もあった。
鈴木さんは「宮崎駿と会って話をする度にこのパークの話になる」とのエピソードも明かした。「彼が『どうしてこんなことになったんだろう』っていつも言う。何度話し合ったけど答えは出ない。今朝、名古屋に向かう新幹線の中で考えたが、大村さんに口説かれたんだと思った。何度も事務所に足を運んでいただいた。大村さんの情熱の賜物ですね」と鈴木さん。
「ジブリパーク」は愛・地球博記念公園内(長久手市)に2022年秋の開業を目指す。