「ソーシャルタワーマーケット2020」が10月17日・18日・31日・11月1日の4日間、久屋大通公園(名古屋市中区)で開催される。
主催は名古屋市やNPO法人、大学の研究室などで構成するソーシャルタワープロジェクト実行委員会。2011(平成23)年に名古屋テレビ塔の存続や在り方を考えるイベントを開催し、翌年にマーケットイベントやフリーペーパー発行などを始めた。マーケットは「テレビ塔のあるまちに新しいかたちの社交場を」をテーマに展開し、2018(平成30)年まで毎年秋にテレビ塔下の公園で実施。2019年は同塔と公園改修のため、会場を名古屋城に移し開いた。
6月8日に「ザ・ソーシャル」として法人化。当初から名古屋市役所職員として同プロジェクトに関わり、有志でボランティアリーダーを6年続けてきた長崎正幸さんが市役所を退職し代表に就任。初回からプロジェクトリーダーの青木奈美さんと2人で代表を務める。長崎さんは「もっとやることを発展させるために法人化した」、青木さんは「事業として拡大してきた。テレビ塔と久屋大通公園を離れ名古屋城でマーケットを開いてみて、ほかのエリアで開催する自信が付いた」と話す。
「ソーシャルタワーマーケット2020」は、秋にリニューアルオープンする久屋大通公園の北エリアのケヤキヒロバとシバフヒロバで開く。新型コロナ対策のため、通常よりも出店数を減らし店舗の間隔を空け、開催日数を4日間設けることで分散させる。1日当たりの出店数は70店舗を予定。
「これまでも年に複数回にしてほしいという声もあったが大型イベントは簡単にはできない。こぢんまりとさせたことで開催しやすくなる」(長崎さん)とも。
イベントの中心には、同社が現在準備中の2トンロングトラックを生かした移動型店舗「KIOSK TRUCK」を配置する。「分かりやすい拠点、シンボル的存在」として企画した「KIOSK TRUCK」は車内に調理器具なども備え、コーヒースタンド・バーや、シティーガイド・ツアーの拠点、さまざまなアーティストが手掛けた作品など「新しい名古屋みやげ」などのグッズ販売などに展開できる。イベントでは「KIOSK TRUCK」をDJブースとして展開し、会場を盛り上げるという。
「もともと社交場を作ることがコンセプト。年1回のマーケットでは一過性になってしまうが、年に数回開催することでマーケットを通じて人々が会える場も、関わる人も増やすことができる」と長崎さん。青木さんも「うわべだけでない街と人をつなぐ仕組みづくりができる。今後はテーマを設けた回や、ディレクターを立てて展開するなど構想もある」と話す。
「KIOSK TRUCK」には出張サービスの機能も持たせる。「地域に点在してる人やエリア、価値をつなげられたらと考えた。いろいろな人に使ってもらい多方面で魅力を発揮してもらえたら」と青木さん。今月31日までクラウドファンディング「CAMPFIRE」を通じて、「KIOSK TRUCK」の製作資金を募集している。