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「あいちトリエンナーレ」が「国際芸術祭『あいち2022』」に名称変更

国際芸術祭「あいち2022」の芸術監督に就任した片岡真実さん(右)と組織委員会会長の大林剛郎さん 撮影:国際芸術祭「あいち」組織委員会

国際芸術祭「あいち2022」の芸術監督に就任した片岡真実さん(右)と組織委員会会長の大林剛郎さん 撮影:国際芸術祭「あいち」組織委員会

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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の名称が次回開催から「国際芸術祭『あいち2022』」に変更されることが11月17日、正式に発表された。

 「あいちトリエンナーレ」は2010(平成22)年から2019(平成31)年まで3年ごとに4回開催。昨年の開催時は企画展「表現の不自由展・その後」が議論を生み、一部の展示が一時中止になるなどの混乱が起こった。

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 愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で行われた記者会見で、組織委員会会長の大林剛郎さんは「次回開催に向けて組織体制が一新されたことを受け、名称を変更し、新たな発展を目指したい。開催地である愛知を強調した名称であること、シンプルで響きの良いものであることを念頭に決定した」と話した。

 新たな芸術監督に森美術館館長、国際美術館会議(CIMAM)会長の片岡真実さんが就任することも併せて発表。片岡さんの就任会見も行われた。

 片岡さんは名古屋市出身。愛知教育大学美術科を卒業後、ニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003(平成15)年より森美術館に。2007(平成19)年~2009(平成21)年には英・ロンドンのヘイワード・ギャラリーのインターナショナル・キュレーターを兼務。2012(平成24)年の「光州ビエンナーレ」共同芸術監督、2018(平成30)年の「シドニー・ビエンナーレ」芸術監督を務めるなど国際的に活躍している。

 大林さんは「国内外での豊富な経験・実績とネットワーク、愛知県出身であること、初の女性監督という点で、最もふさわしいと考えた」と選任理由を述べ、「片岡さんを迎え、ようやく2022年に向け本格的な準備に取り掛かることができる。愛知の芸術祭をこれまで以上に発展させ、県内の皆さまはもとより県外、海外からも多くの方に来場してもらい、現代美術の魅力を十分に感じ、楽しんでもらえるよう片岡監督と力を合わせていきたい」と意気込みを語った。

 片岡さんは「私は名古屋市に生まれ、豊田市、一宮市、刈谷市などに住み、20代前半までを愛知で過ごした。現代美術に関わる今日の私の礎が愛知県で築かれたことを改めて回想している」と話し、「困難な時代を生き抜くために楽しくポジティブなエネルギーを生む」「愛知のさまざまな魅力を現代アートの視点から再発見する」「人々の移動が制限されるコロナの時代の新しいモデルを提示する」など、6つの観点で「国際芸術祭『あいち2022』」の構想を伝えた。

 片岡さんは「あいちトリエンナーレ2019」についても言及。「国際芸術祭というものは、開催回ごとに芸術監督それぞれの考え方によって作られる。国際芸術祭『あいち2022』は、これまでのあいちトリエンナーレとは異なる自律したものであるということをご理解いただきたい。全く新しいものを始めると考えている。議論はほぼ出尽くしたと思っていて、やるべきことは学んだことを次にいかに生かすか。いまだ何らかの分断が残っているとすれば、その溝を埋めていく方法を考える時期を迎えている」と話した。

 就任あいさつの最後に片岡さんは「あいちトリエンナーレ2019のことだけではなく今、世界全体で結束が強く求められている。パンデミックからの回復のための力が必要。国際芸術祭『あいち2022』は、人類が求める未来を共に考えるための意義のあるプラットホームとして、愛知から世界へ力強く発信されるものでなければならない」と思いを語った。

 組織委員会では今後、コンセプトを決定し、作家の選定に入っていく予定。