「なごや子どものための巡回劇場」が現在、「テイクアウト」と題し、ウェブ上で期間限定公開されている。
「なごや子どものための巡回劇場」は、日ごろ、生の舞台に接することが少ない子どもたちに向け、テレビなどでは味わえない感動を届けたいという思いで、1980(昭和55)年に始まった取り組み。企画・運営は名古屋市文化振興事業団(名古屋市中区栄3)。
毎年、春休み・夏休みに合わせ、名古屋市内の文化小劇場などを会場に、できるだけ低料金で演劇や音楽の公演を行ってきたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止した昨年の夏休み公演に代わり、初めて「なごや子どものための巡回劇場テイクアウト」としてウェブ公開企画とした。無観客公演を収録した作品を同事業団のユーチューブチャンネルで、期間限定公開する。
同事業団担当者は「コロナ禍でなかなか外出できない子どもたちを中心に、自宅に劇場作品を持って帰って見てもらおう、という思いで、『テイクアウト』と付けた」と話す。
今回は1973(昭和48)年に名東区で誕生した「劇団うりんこ」の演劇「はなのき村」、1967(昭和42)年に東海地方初のプロの人形劇団として創立した「人形劇団むすび座」の「かくれ山の大冒険」、1966(昭和41)年に結成した「名古屋フィルハーモニー交響楽団」の演奏「名フィルがやってきた!」の3公演を公開。それぞれデジタルパンフレットも見ることができる。
「名古屋市内の児童養護施設の子どもたちにDVDを送ったところ、映像を見た子どもたちの様子を添えたお礼の手紙をもらった。昨年の夏休み公演に代わって昨年9月から1月11日まで公開したバレエ公演は、コロナ禍でバレエのレッスンに通えない子どもたちがたくさん見ていたようだ」という。
公開は8月31日まで。