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名古屋の米店が有機玄米のせんべい 発酵食品のディップソースと合わせ

「玄米と白米のディップせんべい」と「さしすせそ玄米せんべい」のフルセット商品を手にする、伊藤米穀3代目の伊藤保さん・久実代さん

「玄米と白米のディップせんべい」と「さしすせそ玄米せんべい」のフルセット商品を手にする、伊藤米穀3代目の伊藤保さん・久実代さん

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 伊藤米穀(名古屋市中区伊勢山2)が12月1日、有機玄米を使うせんべい「KOMETE」の販売を始めた。

発酵食品を使ったディップソースを添える「玄米と白米のディップせんべい」

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 創業約80年の同社はコメの小売り、飲食店への卸しを手掛ける。コメのプロ「五ツ星お米マイスター」である伊藤保さんと、ブランド統括を担う妻の久実代さん夫婦が3代目として店を受け継ぎ、「お米に、驚きと愛をこめて。」をキャッチフレーズに営む。

 同社のギフトブランドのホームページ「MUSUBI千代松」を立ち上げ、第1弾として「KOMETE」とブレンド米「千代松」をネット販売し始めた。

 国民1人あたりのコメの消費量は1962(昭和37)年をピークに下がり続けている。保さんは「パンや麺など食が多様化し、減少し続けるコメの消費量を少しでも増やしたい。商品のかたちを変えて、玄米を使う新感覚のせんべいを作った」、久実代さんは「米穀店が作る商品として、コメにまつわるもので、身近で気軽に食べてもらえるような商品開発を行った」と話す。

 もともと同社は催事で玄米だんごを販売していた。昨年5月にコロナ禍でイベントが軒並み中止になり在庫を抱えてしまった中、SNSを通じて生まれた玄米だんごの購入者から、「玄米がだんごだと食べやすい」「健康にいい」「子どもに食べさせたい」などの反応を受け、玄米を使うことを確信した。「健康効果に優れる玄米だが、ぼそぼそした食感や、おいしく炊くためには圧力鍋を使うなど面倒なこともあり、食べ続けるのを断念する人も多い。長く食べてもらえるように、という点も重視した」(久実代さん)。

 「KOMETE」は有機玄米100%の薄焼きせんべい。「玄米と白米のディップせんべい」(3,240円)は、食べ比べができる玄米と白米の素焼きせんべい(各10枚、合計20枚)、「一緒に食べることで玄米の栄養価もアップする」という発酵食品を使ったディップソース(レッドチェダーチーズといぶりがっこ、米こうじあんバターの2種入り)のセットで、「オーブントースターで軽く焼くと、焼き立て風が楽しめる」(久実代さん)という。「さしすせそ玄米せんべい」(2,700円)は、「さ=くちどけ和三盆」「し=磯香る藻塩」「す=ゆず生ぽん酢」「せ=熟成こくしょうゆ」「そ=和だし八丁みそ」(各8枚、合計40枚)の詰め合わせで、「コメ自体を味わってもらうため、やさしい味付け」(同)という。両方を合わせたセット(5,400円)も販売する。今後は、自家用に枚数を減らすなどダウンサイズした商品展開を予定する。

 「いろいろな味わい方を楽しんでほしい。購入した方が編み出したアレンジなど、SNSで投稿を呼び掛けることもしていきたい」(保さん)、「将来的には玄米を使った餅や、和・洋のコメ菓子のセットなどが作れたら」(久実代さん)とアイデアを膨らませている。

 オリジナルブレンド米「千代松」は岐阜県美濃地方でのみで栽培される「ハツシモ」をベースに3~4種類のコメをブレンドし、ハツシモの特徴を引き立てる商品に仕上げたもの。「もっちりして甘いコメが多いが、その逆で、さっぱりして口の中でほどけるようなものを作ろうと思った」(保さん)。ギフト用パッケージのギフト用(5キロ、5,400円)、自宅用(同、4,860円)。

 いずれも同ホームページでネット販売する。

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