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名古屋栄三越のライオン像、「シャンプー」される 館内で始まるアート企画の一環で

「人と同じで顔は避けて」泡で洗われる「シャンプー」中の名古屋栄三越のライオン像

「人と同じで顔は避けて」泡で洗われる「シャンプー」中の名古屋栄三越のライオン像

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 「名古屋栄三越」(名古屋市中区栄3)のライオン像が7月14日、「シャンプー」された。

「シャンプー」の泡に包まれた名古屋栄三越のライオン像

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 今月20日から始まるイベント「三越のアート&クリエーション」内で開かれる、名古屋芸術大学芸術学部准教授でアーティストの中田ナオトさんの「中田ナオト展『ライオンといっしょ-名古屋と東京と-』」の一環。

 「場所性」を大切にしているという中田さん。「会場に自分の作品を展示するだけでなく、名古屋三越の要素も盛り込みたいと思い、シンボルであるライオン像に直接関わることを考えた」と振り返る。「人、特に日本人は毎日、風呂に入り衛生面に気を使っている。このご時世なので、ライオン像もきれいにしようと思い、一緒にいてくれてありがとうという気持ちも込めて、シャンプーすることにした」と説明する。

 ライオン像はブロンズ製で、幅=101.3センチ、高さ=87.2センチ、奥行き=215センチ。普段は乾拭きしているという。

 ライオン像にていねいに水をかけて全体をぬらし、泡立てたボディーソープを使い、「人と同じで顔は避けて」全体を洗い上げた。シャワーに見立ててじょうろで水をかけ泡を流し、仕上げに布で拭き上げた。撤去までの一連の流れを映像にも残し、作品の一部として上映する。同店広報担当者は「じめじめと暑い日が続くので、ライオン像もさっぱりとして喜んでいるのでは」と笑顔を見せる。

 「洗われているライオン像を見て笑ってしまう人も多いと思う。強いライオンが泡をまとった姿はヒツジのようにかわいらしい存在にも見える。ユーモアとアイロニーの両方を感じられるのでは」と中田さん。

 「ラシック」1階で開かれる「中田ナオト展」では、東京にある三越や名古屋栄三越、星ヶ丘三越のライオン像の写真のタペストリーや、名古屋テレビ塔と設計者が同じの東京タワーを模した100分の1のサイズの作品など約20点を展示。「アートは特別なものではないと感じてほしい。今回のように普段目にしているライオン像を使った作品など、日常の中にアートを取り込むことで見る側、作る側の距離を近づけていきたい」と話す。

 このほか、三越のアート&クリエーション企画では、14企画、約400作品が、名古屋栄三越のライオン玄関口や2階エスカレーター前、コスメ売り場近くの通路など、館内のさまざまな場所を会場に展示される。今月23日・24日には、6階と地下1階に設ける特設会場で、名古屋造形芸術大学美術表現領域の在校生・卒業生によるライブペイントも行う。

 「巨匠と呼ばれる作家から、これから世に出るような若手アーティストの作品も扱う。ジャンルやスタイルもさまざま。若い人にとっては自分と同世代のアーティストにも触れられる機会。店内をアート観覧しながら巡り、百貨店で扱う商品も知ってもらうきっかけにしたい」と広報担当者。

 営業時間は、名古屋栄三越=10時~20時。ラシック==11時~21時。展示期間や最終日の終了時間は企画により異なる。今月26日まで。

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