栄でビニール傘を無料で貸し出す社会実験-電話ボックスも拠点に

ビニール傘、電話ボックス、伐採された街路樹などを再利用したインスタレーションを展開

ビニール傘、電話ボックス、伐採された街路樹などを再利用したインスタレーションを展開

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 ゴミ問題になっている使い捨てビニール傘を活用し無料で貸し出す社会実験が2月17日、名古屋で始まった。

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 同プロジェクトは、名古屋工業大大学院の伊藤孝紀准教授が企画。地元の若手アーティストの発掘と支援を目的に開催された「アーツ・チャレンジ2009~新進アーティストの発見 in あいち~」で100以上の公募から選出され実現した。期間中、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)2階に拠点を置き展示と活動を行う。

 同教授は、作品の応募に当たり、「社会問題や環境問題とアートを関連させた作品づくり」を心がけ、再利用をキーワードにゴミ問題になっている「ビニール傘」、携帯普及により使用頻度が少なくなってきた「電話ボックス」、街路樹など伐採された「都市の森」に着目した。同センターの展示コーナーでは、これらを再利用したインスタレーションを展開する。「不要または無駄と思われるものを共有し再利用していくことの大切さを知っていただき、ゴミの軽減など社会貢献またはエコ活動につながれば」(同)と語る。展示物のひとつである同センター半径1キロメートルに設置されている電話ボックスのマーキングは、「意外にも電話ボックスの多さに気づく」(同)という。

 テーマは「交換力と愛着力」。同センターでは不要なビニール傘を受け付け、伐採された木を使って学生が作ったプロダクト製品と交換する。また降水確率30%以上の日は、栄地下鉄出入口付近の路上電話ボックス4カ所に「レンタル傘ステーション」を設置し、学生らがビニール傘を貸し出す。同時に「ビニール傘の利用状況」アンケートを実施。使用期間に応じて5段階に分けた「エコ度シール」を配布、愛着力を持ってもらえるよう促す。

 貸し出し手続きは不要。返却は当日でも後日でも可能で、同センターか、降水確率30%以上の日は各拠点で受け付ける。

 実験は3月1日まで。実験後はビニール傘の使用期間、返却率や電話ボックスの使い方などをまとめ、次につながるデータを作成予定。傘は学生たちが持ち寄るが、一般からも募っている。「家やオフィスなどに眠っているビニール傘があれば持ってきてほしい」(同)と呼びかける。詳細は、名古屋工業大学伊藤研究室(TEL 052-935-0030 担当=増澤さん)まで。

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