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大須商店街に東北のアンテナショップ「みちのく屋」-食品など販売

東北のアンテナショップ「みちのく屋」の若林隆之さん

東北のアンテナショップ「みちのく屋」の若林隆之さん

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 東日本大震災で被災した東北地方の復興支援を目的とした東北のアンテナショップ「みちのく屋」(名古屋市中区大須3、 TEL 052-252-0202)が8月6日、大須商店街にオープンした。同店を運営しているのは、仙台出身の若林隆之さん。大学卒業後6年間名古屋で仕事をしていたことから名古屋でのアンテナショップ開設を決めた。

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 「昨年7月に、これまで務めていた会社を辞めて世界一周の旅に出ていた」と話す若林さん。震災当日の3月11日は、ブラジルにいたという。「ブラジルのニュースで大変が起こったことを知った。次の日にすぐ帰国することを決めた」と若林さん。交通網の混乱などでなかなか仙台にたどり着けず、ようやく仙台に入ったのは震災から8日後の3月19日だったという。

 家族や親戚の無事を確認し、すぐに避難所でのボランティア活動を行った。「震災直後の支援のあり方と、1カ月後、2カ月後と時間が経過した支援のあり方は変わってくるのだと実感した」と若林さん。「多くの人が現地に入って復興を手伝っているが、まだまだ経済支援が少ないのが現状」と話す。「例えば、工場全体が波をかぶってしまった笹(ささ)かまぼこの工場は現在、ラインを復旧し生産を再開している。ただ、売り先も被災しているところが多いため、生産はできても売り先がないという問題に直面している」と若林さん。「そうした困っている企業の商品などを仕入れて、名古屋で販売してはどうかと思い、『みちのく屋』のオープンを決めた」という。

 「ずっと義援金や物資をもらっているだけではダメだと思っている。体を動かして経済活動をしていかなければ…」と若林さん。「この店を通して、東北の魅力を少しでも伝えることができれば。そうした魅力が伝わって、義援金感覚ではなくて、おいしいものがあるから買いに来たと言ってもらえるようになるとうれしい」とほほ笑む。「名古屋で仕事をしていた時は、旅行会社にいた。その時に感じたことは、北海道には旅行に行っても、なかなか東北には旅行にいってもらえないということ。少しでも東北に関心をもってもらい、旅行に行こうという気持ちにつながれば」とも。

 現在、店内には仙台みそや仙台しょうゆ、三陸産のノリやヒジキ、ワカメ、笹かまぼこや盛岡じゃじゃめん、ずんだ餅やアップルクーヘンなど宮城、岩手、福島の郷土菓子や加工品、野菜など約120品が並んでいる。「ゆくゆくは、牛タンや喜多方ラーメンなど人気の商品などを増やし、今の3倍くらいの品数にする予定」と若林さん。「3階のスペースもあるので、資格を取れたら東北の日本酒などの販売もしていきたい」とも。 「この店は期間限定ではなくずっと継続して運営していきたい。そのためにもしっかりとビジネスとして回し、長期的な経済支援の一つになれば」と意欲を見せる。

 営業時間は10時~22時。

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