イギリスの高級車・スポーツカーのメーカー、ベントレーの車を専門にチューニングを行なう「ASI（エーエスアイ）」（名古屋市中区千代田3、TEL 052-339-2777）は1月9日～11日、同社オリジナルのコンプリートカー「ASI TETSU GTR（エーエスアイ テツ ジーティーアール）」（約6,000万円～）を国内で初めて発表する。

　日本画家・中村哲叡（なかむらてつえい）さんとコラボレートした同車は、昨年11月にアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大の自動車ショー「SEMA SHOW（セマショー）」で発表され、各国の自動車ファンから注目を浴びた。同社の近藤哲社長は「各国から集まったディーラーの評判は上々。連日さまざまな雑誌の取材を受け、注目度の高さを感じた」と振り返る。

　同9日からは、東京・幕張メッセで開催されている「東京オートサロン2009」のトーヨータイヤブースに「漆をイメージした」（同）というつやのあるブラックのボディーの「ASI TETSU GTR」を出展。ホイールは、同商品のために今回特別につくったというアメリカのホイールメーカー「FORGIATO（フォージアート）」のものを使用するほか、ゴルフブランド「RUSSELINO（ラッセルノ）」のサポートも受ける。取り扱いを希望するディーラーらからの注文を受け付ける。

　日本での発表について、近藤社長は「正直、日本でのコンプリートカーの市場はないに等しい。興味を示してくるのは、ドバイ、ロシア、アメリカなどのバイヤーたち。世界的に不況と言われているこの時期でも、富裕層は多くコンプリートカーの需要も高い」と話す。また「車を通して、日本の文化を世界に発信できることも魅力」とも。「昨年はASI TETSU GTRを世界に紹介した年になった。今年はそれらの販売に力を入れていく。また新しい車種の開発も検討中」と、日本発のベントレーのコンプリートカーに期待を寄せる。