「第18回AAF戯曲賞」で大賞に選ばれた「朽(く)ちた蔓延(はびこ)る」の受賞記念公演が11月7日~9日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)小ホールで上演される。
AAF戯曲賞は、作家と演出家・作品と観客が出会い、価値観を創出することを目指し、愛知県芸術劇場主催で2000(平成12)年より開始。戯曲を募集し、審査と受賞作品の上演を行っている。第18回は応募109作品の中から昨年1月、山内晶さんの「朽ちた蔓延る」が大賞に選ばれた。山内さんは日本大学芸術学部演劇学科を卒業。劇団「キリグス」を主宰している。
「朽ちた蔓延る」は、架空の遺跡を舞台に、日本人観光客や歴史学者の妻、かつてその遺跡を築いた王様など、時代や立場が異なる人物たちがそれぞれの視点で独白する物語。
演出を担当するのはタイ・バンコクを拠点に演出家、作家、イベンターとして活動する篠田千明さん。今回の上演では、インドネシアの伝統的な影絵芝居「ワヤン・クリ」を取り入れ、タイや台湾で活動するスタッフを起用するという。新型コロナウイルスの影響で来日できなくなった海外在住のクリエーターもいたが、オンラインでクリエーションを進めている。
篠田さんは「歴史、自分、人間、文化とは何か、本物とは何か、そもそも本物は誰が決めるのか、などの問いを改めて考察する作品。多彩なシチュエーションとスタッフが魅力」と話す。
同公演では、舞台に出演する「市民役」を募集している。募集人数は各公演10人程度。参加条件は11月6日のリハーサル及びいずれか1公演または2公演に参加できること。参加費500円(保険料含む)。
開演時間は7日=18時、8日=15時、9日=19時30分。料金は一般=3,000円、U25=1,000円(要証明書)。