名城病院の現役ドクターが率いる医療系バンドが初のホールライブ

白衣を身に着けた「Heartful Hospital(ハートフルホスピタル)」のメンバー。

白衣を身に着けた「Heartful Hospital(ハートフルホスピタル)」のメンバー。

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 名城病院(名古屋市中区三の丸1)の現役ドクターが率いるバンド「Heartful Hospital(ハートフルホスピタル)」が11月9日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)小ホールで初めてのホールライブを開催する。

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 同バンドは、同院内科医の赤澤貴洋(きよひろ)医師を中心に、歌手の大咲舞さん、整形外科医の後藤正成(まさなり)医師や、医療機器メーカーの社員ら6人で構成される「医療系」バンド。医療現場、病院での実際の出来事をモチーフにし、赤澤医師が作詞作曲を手がけたヒューマンソングを扱う。大咲さん以外、ステージ衣装には白衣を身に着けるなど、インパクトも大きい。

 もともと音楽が好きでミュージシャンを目指したこともあったという赤澤医師は4~5年前から、透析治療の手術中に患者のリラックスや、痛みを和らげてあげたいという思いから、患者の好きな曲、好きなジャンルの音楽をかけて手術を行うという、音楽を取り入れた医療の試みに取り組んできた。患者からの評判も良く、3年前に医学会でこの試みを発表し、NHKの番組で取り上げられたこともある。

 そうした中、主治医を務めた患者の娘だった歌手・大咲舞さんのライブに行った際に、大咲さんの歌声にほれ込み、「この人に自分の思いを乗せた歌を歌ってもらおう。いいニュースにもなる」(赤澤医師)と、医師や医療関係のメンバーにも声をかけバンドを結成。

 医療現場で、医師として、また一人の人間として感じたいろいろな思いを、現場目線、患者目線、家族目線で描いた曲「経過良好」と「絆~今あなたに感謝します」を制作し、この2曲で昨年7月10日にデビューを果たした。「入院中の患者とその家族、またそれを支えるすべての医療関係者に聴いてほしい」(赤澤医師)という応援歌と自身の感謝の気持ちを込めた作品になっている。

 同バンドは現在、月に1~2回、病院や老人保健施設を中心に慰問ライブを行っているが、今回初めてホールライブ開催に至った。今年4月には、長年連れ添った老夫婦の病院での闘病生活を通した愛情をラブソングとして制作したセカンドシングル「永い二人だから」をリリースし、同ライブでも披露する。同作品のカップリング曲「あなたがいたから」はテレビ東京系の番組「ボランティア21」にエンディングテーマにも採用され、活動の幅を広げている。

 赤澤医師は、「医療現場は、医師不足やいろいろな問題が多い。実際、自分もとても忙しく、人間だから疲れたり、時には逃げ出したくなったりすることも。そうした生活の中、夕方に病室をひとつひとつ回り、今日あったことや治療方法などを話しながら患者さんと関わっていると、病室を出るころには疲れが吹っ飛んでいることに気付いた」と医療現場で自身が感じる気持ちを明かす。「そうしたコミュニケーションや出会いにより、僕の方が皆さんに感謝しているということを、音楽活動を通して伝えていきたい」(同)とも。

 ライブやCDの収益は全額、臓器移植ネットワークに寄付する。「臓器移植、骨髄移植に興味を持ってもらい、広げることができれば。貢献していきたい」と赤沢医師。

 ライブの開演時間は18時。料金は3,000円。

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