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ライブハウス内に人工芝や名古屋めし
名古屋出身ロックバンド、the ARROWSのイベントに迫る

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名古屋発、多ジャンルの音楽イベント−エアギターのダイノジも

名古屋出身の5人組ロックバンド、the ARROWS(アロウズ)が主催するイベント『N2B FESTIVAL MUTATION 08』が9月20日、ダイアモンドホール(名古屋市中区新栄2、052-265-2665)で開催される。同イベントは19時から翌朝5時までと「オールナイト」で開催され、DJとライブアクトが朝まで楽しめる。

 ダイアモンドホールでの開催は今回で2回目となるが、アロウズを中心とした「ロック的なメンツ」となった昨年に対し、今年はエンタテインメント性に特化したアーティストラインナップが特徴だ。

 その筆頭とも言えるのが、名古屋在住ヒップホップユニットとして世に知られるnobodyknows+。近年は他ジャンルのイベントにも数多く参加しており、この日も違った客層を前にしてのパフォーマンスに期待高まる。そして名古屋ヒップホップシーンの若手筆頭、カルテット。彼らはアロウズとのコラボレーション曲も発表しており、この日もステージでの共演に期待したい。

 そして今回最大の飛び道具となるであろう、いとうせいこう!ゆるめのビートが心地いいポメラニアンズを従え、どんなパフォーマンスを見せるか。エアギター世界一の称号を持つダイノジは2年連続の参戦となる。また若手ダンスアクトとして注目を集めるthe telephones、限りなく日本最強に近い編成からソウルフルなビートを聞かせるNONA REEVESも参戦と、ジャンルに囚われない幅広いメンツが集結する。もちろんオールナイトパーティには必須のDJ勢も多数ラインナップされている。

ライブハウスのイベントでは珍しいレストスペースも設置

 そしてこのイベントで忘れることができないのが、環境面の充実である。ライブハウスでのオールナイトイベントというのは、想像以上に体力を使う遊びでもある。そこに配慮し、ライブハウスの後方スペースには大きな人工芝エリアを展開。昨年はここで寝転んだままライブを楽しむ姿も見られた。またフードコートには味噌カツ、味噌おでんなどのいわゆる「名古屋めし」がズラリ。屋内フェスティバルと呼んで差し支えの無い、遊び心もふんだんに盛り込まれたものとなっている。

 実はこのイベント、その前身はアロウズがclub JB'S(中区栄4)で開催していた「N2B GUITAR MUTATION」というパーティだった。クラブという場所でバンドアクトとDJによるイベントを行ったこと。そしてアロウズが特定のライブハウスを拠点とせず、むしろclub JB'Sでのこのイベントをホームとしていた感があったこと。これは当時のバンドシーンでは本当に珍しいことだった。アロウズはメジャーデビュー時「ダンス」「パーティ」というキーワードで語られることが多かったが、それは決してこの事実と無関係ではないはずだ。自分たちがただライブをするだけでなく、快適なパーティスペースを作り上げる。イベントのホームページでは「ホスピタリティ」、いわゆる 「おもてなし」という言葉がたびたび使われているが、そのホスピタリティ精神はclub JB'S時代に培われたものと言える。

 現在は会場をダイアモンドホールに移したが、イベントの根底にあるのはやはりホスピタリティである。それぞれのライブアクト、DJを楽しむのはもちろんのことだが、参加しているだけで楽しい、そう思えるべく整えられた環境にもぜひ注目して欲しい。

N2B FESTIVAL MUTATION 08

PROFILE
阿部 慎一郎
尾張旭市在住 音楽編集兼ライター。某チケット誌で主に活動中。

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