大須にオーディオ専門店、64歳男性が開く-全国から修理依頼続々

写真=中島俊吉さん。店内には非売品の手作りスピーカーも

写真=中島俊吉さん。店内には非売品の手作りスピーカーも

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 小学生のころにラジオを作り、学生時代にアンプづくりをしていた男性が定年後、64歳にして夢のオーディオ専門店をオープンした。大須にオープンした同店の名前は「オーディオクラブ響(ひびき)」(名古屋市中区大須3、TEL 052-242-5377)。オーナーは、テレビ局のコンピューターシステム管理などをしていた中島俊吉さん。

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 幼いころから大の機械好きだったという中島さんは、中学生のころに聴いたドボルザークの「新世界より」に衝撃を受け、それ以来オーディオにはまっていったという。電子工学を専攻していた大学時代にはオーディオクラブを作り約70個のアンプを作成。卒業後、会社員になってからもオーディオの趣味は広がり、メーカー側が修理をあきらめたオーディオ類が全国から中島さんの元に集まるほどの修理技術を身につけるほどになった。

 約13坪の店内には、中島さんの作業スペースのほか、オーバーホールしきれいに修理され生まれ変わった往年の名オーディオ類の陳列スペースを設ける。「音を愛してほしいから、魂と哲学を込めて一生懸命修理している」と中島さん。来店客には各オーディオの違いや特徴などを丁寧に説明し、しっかりとその音を聴かせる。「いい音を出すためには、アンプとスピーカーのマッチングが大切」と、利用客のライフスタイルに合わせて相談にも乗る。主な利用客は50~70代の男性だが、「最近では若い人もレコードをいい音で聴きたいといって来店する方が増えてきた」という。

 オーディオについて、中島さんは「音楽はいい音で聴くことが大切。真空管のアンプで聴くとCDの音もやわらかくなり、聴いていても疲れない」とし、「好きな音楽をいい音で聴いているとアルファー波が出て来て癒やしにもなる」とほほ笑む。「オーディオから流れる音楽はあくまでもバーチャルのもの。そのバーチャルの世界を、よりリアルなライブ感あふれる音に近づけることができるのも、良いオーディオの成せる技」とも。

 店頭に並ぶ販売可能なオーディオの数は決して多いとは言えない。それは中島さんが1人ですべての修理を行なっているため、なかなか修理が追いつかないからだという。そうした状況の中で出店場所に大須を選んだのは「部品屋さんが多いから」。修理すべき個所を的確に判断し、必要部品をすぐに調達したい中島さんならではの判断だ。修理費用も少しの手間賃と実費程度だという。

 店頭には現在、タンノイバッキンガムモニター(58万8,000円)、サンスイBA-303(25万8,000円)、サンスイCA-303(8万8,000円)、ラックスマンMQ-36(26万8,000円)などが並ぶ。

 「この年になっても好奇心はとても旺盛。人生は1回きりのものなので、一生懸命動いて、夢にまで見たオーディオ店で自分の生活のリズムを作っていきたい」と意欲をみせる。

 営業時間は11時~19時。水曜定休。

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