見る・遊ぶ

学生ら「東海州庁舎」の設計に挑戦-トリエンナーレ「あいちプロジェクト」で

「あいちプロジェクト」で発表された「東海州庁舎」「中京都庁舎」の設計案

「あいちプロジェクト」で発表された「東海州庁舎」「中京都庁舎」の設計案

  • 0

  •  

 愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)で10月6日、学生たちが設計した未来の中京都庁舎、東海州庁舎のデザインが発表された。

「あいちプロジェクト」を解説する建築家の藤村龍至さん

[広告]

 同企画は愛知県内で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」のプログラムの一つ「あいちプロジェクト」の発表。道州制が導入された場合に想定される中京都庁舎と東海州庁舎の設計を多くの人々に見える形で行い、公共建築の設計方法を書き換える試みだ。

 建築家の藤村龍至さんをマスターアーキテクトに、県内外の学生有志がチームを組み、栄の中央広小路ビルで作業を一般公開しながら制作を進めた。名古屋工業大学大学院1年の平井仁康さんと村山明宏さんがチーフとなり、2チームが8週間をかけて設計。メンバーは2週間ごとにデザインをする学生たちを全て入れ替え、デザイナー間の引き継ぎを丁寧に行うことで、設計内容が透明かつ明瞭になっていくことにも挑戦した。

期間中、来場者は両チームの作業内容と展示模型を見比べ、魅力を感じた案に投票。両チームは投票結果、意見を見ながら「外形とボリューム」「床面積とプログラム」「立面と内部平面」と検討を進め、さらに案を発展させていった。

 この日の最終発表会は8週間にわたる作業の集大成。これまでの設計案が並び、両チームがその変遷と最終案をプレゼンテーション。各週の作業に参加した学生たちが、感想を述べた。最後に来場者たちが気に入った案に投票をした。

 藤村さんは「一般の公共建築はコンペなどで設計者が決まる。過程に直接投票をしてもらう形は大学やアートの場だからこそできる社会実験。たくさんの意見を頂くと多数を占める意見、平均的意見とともに、マイナーな意見も参考にできる。マイナーでもきらりと光る意見が次の作業に生きることもあった。数も相手にしながら少数意見を大事にする方法を発見できたことが収穫」とプロジェクトの成果を振り返る。

 最後に藤村さんは「公共建築はこのような展覧会方式で公開の場で進めていけば、多くの県民市民の関心、意見を集めることができる。最終的に皆さんが高い満足度を示してもらえる建築になるはず。このプロジェクトの結果を大村知事や河村市長に伝えたい」と話した。

 発表された設計や投票結果などは引き続き広小路中央ビルで展示される。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース