
笙専用温度管理デバイスの外観。電気式により安定した温度を維持し、演奏直前の負担軽減を実現。
株式会社河合電器製作所(本社:名古屋市)は、日本の雅楽で用いられる伝統的な管楽器「笙(しょう)」の温度管理をサポートする新製品を開発しました。本製品は、演奏者の負担軽減と安定した音の実現を目的に、現場の声をもとに開発されたものです。
笙演奏における「見えない負担」と開発の背景
笙という楽器は、その美しい和音とは裏腹に、極めて繊細なコンディション管理を必要とします。特に竹を使用しているため、湿度や温度の影響を受けると音程や響きに影響が出やすいです。
そのため演奏前には電気コンロなどを用いた温め作業が不可欠でした。演奏者は本番直前まで笙を手に持ち、コンロの上で楽器を回転させながら湿度を飛ばしたり、楽器を温めたりと温度調整を続けなければなりません。
本製品の開発は、実際の笙演奏者から寄せられた「こんな製品があったらうれしい」という一言が出発点でした。
使用者が限られる楽器であるため、これまで十分に製品化が進んでこなかった分野でしたが、当社ではこの“少数の困りごと”にこそ価値があると考え、開発に着手しました。

演奏直前まで安定した温度を保つことで、常に手で温め続ける負担を軽減する。
■ 若手設計者が挑んだ新たなものづくり

本製品の開発を担当した設計者。試作と検証を重ねながら、演奏者の課題解決に取り組んだ。
本プロジェクトを担当したのは、当時入社1年目の設計者でした。
「BtoC製品ならではの難しさを強く感じました。お客様は製品をそのまま使用されるため、安全性の確保は当然の前提となります。関連する法規制についても一から調査・理解する必要があり、ヒーターの知識が無い一般の方にも簡単かつ、安心して使っていただける製品にする必要があったので、大きなプレッシャーと責任を感じながら開発に取り組みました。
また、開発を進めるにつれて、形状の最適化や温度を安定的に管理する仕組みづくりなど、想定以上に技術的難易度の高い課題にも次々と直面しました。それでも試行錯誤を重ね、製造部門とも密に連携しながら、一つひとつ課題を解決していきました」
と振り返ります。

実際の使用者に対する説明・検証の様子。現場の課題に向き合いながら、使い手に寄り添ったものづくりを進めてきた。
■ 演奏者からの評価
実際に使用した演奏者からは、想像以上に前向きな反応が寄せられました。
「これまでは本番前、ずっと楽器を手に持ちながら温め続けなければならず、お正月などの本番では演奏中も楽器を着物の中に隠して温めたりしていました。
この製品は、手を離した状態でも温め続けてくれるため、とても助かっています。安心して演奏に集中できるようになりました。」
といった声が寄せられています。
こうしたフィードバックを受け、開発メンバーからは
「演奏者の負担を少しでも軽減できたことを実感でき、大きなやりがいにつながりました」
との声も聞かれました。
■ ニッチな課題にこそ価値を ― 当社のものづくりへの想い
使用者が限られることから、これまで十分に製品化されてこなかったニッチな課題。
本製品には、笙演奏者の課題解決にとどまらず、日本の伝統文化を支える道具への敬意、そして「難しいもの・前例のないものにも挑戦する」という当社の姿勢が込められています。
当社では、使用者が限られる分野であっても、その中にある課題や声に真摯に向き合うことで新たな価値が生まれると考えています。今後も若手社員の挑戦を後押ししながら、前例にとらわれないものづくりを通じて、社会の多様なニーズに応えてまいります。
〈製品概要〉
製品名:笙専用温度管理
用途:笙の演奏前における温度管理の補助
特長:
・演奏直前まで安定した温度を維持
・手を離した状態でも連続加温が可能
・コンパクト設計で持ち運びやすく、演奏現場での使用に配慮
・安全性を考慮した設計
想定利用シーン:演奏前の待機時間、舞台袖、リハーサル時など
販売方法:お問い合わせ/受注販売
〈会社概要〉
商号 :株式会社河合電器製作所
代表者 :代表取締役 佐久 真一
所在地 :愛知県名古屋市天白区中平1-803
事業内容 :熱技術に関するコンサルティング
電気ヒーターの設計・開発・製造・販売
〈参考URL〉
企業URL :河合電器製作所 | 工業用ヒーターと熱のソリューションで未来を創る
公式SNS:株式会社河合電器製作所 | Facebook
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