名駅エリアと栄エリアをつなぐ伏見エリアに位置する錦2丁目地区(名古屋市中区錦2)を舞台に未来の地区・コミュニティーの実現に向け、新しい技術やアイデアなどを実証・実装するエリアプラットフォーム「N2/LAB(エヌ・ツー・ラボ)」が7月7日、立ち上がった。
さまざまな地域で都市課題が広がる中、同地区をフィールドにして地域・企業・行政・大学などが連携し、実証・実装する「リアルな街の実験場」で各種取組を推進する目的。同地区から新しい暮らしや仕事を作る挑戦を進めるという。
戦火でほとんどが焼け野原になったが、戦後、日本三大繊維問屋街になるまで発展しにぎわった同地区。2000年ごろから産業不況で企業撤退が増え衰退したが、昨今では街自体を「あいちトリエンナーレ」の会場にした取り組みや、多数の飲食店出店、2022年春完工予定の大型マンションも有する七番街地区 都市再開発、移転オープンしてできた映画館「伏見ミリオン座」など人の流れも増え、居住者も今後増加すると想定されている。
同プラットフォームの事務局を務める「錦二丁目エリアマネジメント」社長の名畑恵さんは「今、歴史ある繊維街から職住楽が近くにある多様性のある街への転換期」と話す。今回の取り組みについて「何でも取り入れるのではなく街が良くなることが前提。街に似合ったやり方も提案するなどプロデュースすることが大切で、N2/LABの役割だと感じている」と話す。
「積み上げ式ではある程度達したらその先は進まない。市場も変化してきている。持続可能なものにするには古いものや意識も引き継ぎながら、新しい技術やサービスにも対応していくことが大切。地域の課題は回りに気付かされることも多いと思う」とも。
同プラットフォームは名古屋市など行政、地縁組織、NPO法人、今後さまざまなプログラムで連携予定の企業や個人事業主、大学などが関わる。事務局は同社のほか、NPO法人など全4者。
今月21日にはオンラインでキックオフミーティングを開催し、企業や一般参加者も含め約100人が視聴。28日、8月4日・18日には設けたテーマに合わせたプログラムの紹介や、企業・団体の取り組み事例、今後の展開の可能性などについてオンラインでクロストークを行う。開催時間は18時30分~19時30分。参加はホームページから受け付ける。