東桜で「アートフィルムフェス」-一般劇場が取り上げない先鋭作品上映

写真=初公開となる、愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品第17弾、大山慶さんの作品『HAND SOAP』(2008年)

写真=初公開となる、愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品第17弾、大山慶さんの作品『HAND SOAP』(2008年)

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 愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1、TEL 052-971-5511)で11月18日、「第13回 アートフィルム・フェスティバル」が始まった。

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 開館当初から、アート性の強い映像作品の上映会を毎年2~3回のペースで行なっていたという同館。「ひとつのテーマに絞らず、もっとバラエティーに富んだ作品を上映しよう」と現在の方式でのフィルム・フェスティバルを数年前から開始。幅広い年齢層に人気のフェスティバルになっている。「名古屋は20代を中心に、年輩の方まで幅広くアート映像を楽しんでもらえる土壌がある。こうした現象は他の土地では珍しい」と同フェス担当者の越後谷さん。

 期間中、11日間にわたり新旧洋邦問わず「一般の劇場では上映したがらないような、実験的で、先鋭的な芸術性の高い映像作品」(同)を上映する。

 今年は大まかなテーマとして「風景」をキーワードに設定し、4つの特集を組んだ。主な特集は、4分33秒の無音の音楽の作者として有名なジョン・ケージに関連した作品を集めた「映像で見るジョン・ケージ」、1988年に制作を開始し98年に完成した、ジャン=リュック・ゴダールのビデオ大作「映画史」全8章を上映する「ゴダールの『映画史』を復習する」、風景と真摯(しんし)に向き合い、凝視することから作り出された作品から、高木正勝さんや伊瀬聖子さんなどのデジタル技術を駆使した新たな映像による最新の試みまでを通覧する「風景の映像-あるいは、風景へのまなざし」など。

 作品の中には単純に風景を淡々と映し出しているものもあるというが、越後谷さんは「風景のみを切り取っている作品も、じっくり見ていると映像の中にリズムがあることに気付く。それは、音楽を聴いている感覚に近く非常に興味深い」と話す。「現在は、CGなどを使った、加工された映像が多いが、そうした今だからこそ全く正反対の映像を見直すことが面白いのでは」とも。

 会場は、同センター12階アートスペースA。日程は、同センターのサイトで確認できる。11月29日まで。

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