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「あいちトリエンナーレ2016」企画発表会 新たな参加アーティスト、会場を追加発表

愛知芸術文化センターで開催された「あいちトリエンナーレ2016」企画発表会

愛知芸術文化センターで開催された「あいちトリエンナーレ2016」企画発表会

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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」の企画発表会が3月30日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区東桜1)小ホールで行われ、企画の分野ごとの展開内容、参加アーティストの全容などが発表された。

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 同芸術祭は「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、世界中から100組を超えるアーティストが集結し、8月11日から10月23日の74日間にわたり開催される。

 会場は名古屋市、岡崎市、豊橋市の3都市。名古屋会場は愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、栄地区、長者町地区に加え、新たに名古屋駅地区のJPタワー名古屋を追加。岡崎は東岡崎駅、康生地区、六供地区、豊橋は穂の国とよはし芸術劇場(PLAT)、水上ビル、豊橋駅前大通に決定した。参加アーティストの作品を巡回展示する「モバイル・トリエンナーレ」は設楽町田口特産物振興センター、大府市勤労文化会館、一宮市博物館、安城市民ギャラリーの4カ所で開催する。

 港千尋芸術監督は「今回から新たに豊橋が会場に加わり、3都市をまたぐ広域での展開となる。名古屋は現在再開発で注目されている名古屋駅が会場に加わった。旅をするためには、駅はかなり重要な場所。各都市で駅を降りたらすぐに芸術祭が見られることは強くアピールしていきたい。多くの連携事業を行い、複合的に芸術祭を盛り上げていく」と話した。

 現代美術は国内外から80組程度のアーティストが国際展に出品する。今回はベルギー出身のマーク・マンダースさんら45組を追加発表。さらに数組の参加を検討している。国際展ではトリエンナーレのテーマやコンセプトを支え、出展作品を補間する展示やレクチャーなどさまざまな形を持つ小企画「コラムプロジェクト」を開催する。映像プログラムはフィリピン出身のキドラット・タヒミックさんら新たに3組を発表した。発表会には愛知県出身の柴田眞理子さん、佐藤翠さん、山田亘さんが出席。トリエンナーレに向けての意気込みや構想などを語った。

 もう一つの柱となる舞台芸術は、スペインを拠点に活動するユニット「アニマル・レリジョン」ら3組を追加発表。ダンス、音楽などの舞台を上演する全10組が決定した。舞台芸術は10月7日から会期終了までの期間を「レインボーウィークス」と名付け、公演を集中開催する。発表会には山田うんさんがビデオ出演し、奥三河地方の「花祭」をモチーフに新作に取り組んでいることを語った。

 港芸術監督は「国際展はブラジル、トルコを拠点にするキュレーターの招へいで、参加アーティストの出身国・地域は拡大した。今まで紹介されることの少なかった中南米や中近東、アジアなどの幅広い地域からアーティストが出展する。地域的にもジャンル的にも枠組みを拡大する広域な展開を行う。舞台芸術でも従来のジャンルを越境するような作品を上演。レインボーウィークスにより、来場者が滞在期間中に複数の演目を見ることができるよう試みる」と話した。

 同芸術祭は子どもや一般の人々が現代芸術に触れ、アートを体感できる場を設ける普及・教育プログラムにも注力。愛知芸術文化センター12階に、来場者が作品鑑賞に際して触覚や視覚を研ぎ澄まし、頭と目と身体の準備運動をする「ダミコルーム」と、大人も子どもも自由に参加して用意された材料や道具で自らのアート作品を制作できる「キャラヴァンファクトリー」を設置する。

 港芸術監督は質疑応答で参加アーティストの選定基準などを説明。最後に「今年は国内でもアジアでも多くの芸術祭が開催され、アジア地域はアートの世界で大きな注目を集めると思われる。その中で、あいちトリエンナーレが持っている独自性と存在感を世界に発信していきたい。世界最高の芸術祭を目指し、スタッフ一同全力で最後まで走り切りたい」と意気込んだ。

 現在、当日券に比べて低価格で鑑賞できる国際展の「特別先行前売券」を発売中。販売は4月30日まで。舞台芸術の鑑賞には別途チケットが必要。プロデュースオペラ「魔笛」チケットは4月23日、その他の舞台芸術チケットは6月販売開始。

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