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名古屋でLGBTテーマの映画祭 大須アメ横ビルとシアターカフェで

第1大須アメ横ビルで開催される「大須にじいろ映画祭2015」

第1大須アメ横ビルで開催される「大須にじいろ映画祭2015」

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 大須の「第1大須アメ横ビル」(名古屋市中区大須3)で5月23日・24日、LGBT(セクシャルマイノリティー)をテーマとした映画の特集上映「大須にじいろ映画祭2015」が開催される。

「大須にじいろ映画祭2015」で上映される「Sweet Eighteen」

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 LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った総称で、性的少数者を表す言葉。同映画祭は多様な性のあり方を多様な映像表現で人々に伝えることをテーマに、フィクションやドキュメンタリーなどを上映する。イベント名は性のあり方の多様性を象徴するものとして世界中で使われる「レインボーフラッグ」から付けられたという。

 上映する映画は9作品。長編4本は全て愛知県初公開となる。同性への恋の痛みに揺れる少女を描く中国映画「Sweet Eighteen」(何文超監督)、人気政治家がライバルの同性党員に恋してしまうスウェーデン映画「四年間」(トーヴァ・マグヌソン監督)、アフリカ中部の国ウガンダで提案された反同性愛法をめぐるドキュメンタリー「Call Me Kuchu ウガンダで、生きる」(キャサリン・フェアファックス・ライト、マリカ・ゾウハリ=ウォロール監督)、ある朝目覚めたら女性になっていた引きこもり男性を描く物語「BODY TROUBLE 男が女になるビョーキ?」(浜野佐知監督、R15指定)。日本初公開となる「Sweet Eighteen」は監督の意向により、無料上映となる。

 短編は5本で、全て無料上映。ガキ大将に恋する乙女チックな少年の思いを描く特別招待作品「くらげくん」(片山翔監督)。すれ違いながら、現代社会で生きていこうとするゲイカップルを淡々と描く新作「空白」(松山昂史監督)。「友達」(小田学監督)、「渚の妖精たち」(木場明義監督)、「私は渦の底から」(野本梢監督)の3本は、同祭上映作品募集への応募から選ばれた。

 「シアターカフェ」(名古屋市中区大須2)スタッフで同祭実行委員の江尻真奈美さんは「きっかけはシアターカフェのお客さまにLGBTの方がいて、悩みや苦労を聞いたこと。芸能や芸術の分野では差別や偏見が減りつつあるように見えますが、個人の生活レベルでは大変なのだと知った。映画の世界では古くから同性愛やトランスジェンダーをテーマにした作品が作られて、多くの優れた作品が一般に受け入れられてきた。『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』など広く認知されたイベントもあり、大阪や四国、東北などでも同テーマの映画祭が行われている。名古屋ではまだ定期的にLGBT映画を上映する企画がなく、実現したかった」と話す。

 会場は大須にこだわったという。「大須は新旧の文化が同居し、老若男女が集まる街。自由と平等というメッセージを発信するのにふさわしい場所だと感じる。LGBTの当事者ではないメンバーが企画することにためらいもあったが、映画を通して少しでも理解を深める、偏見をなくすきっかけになればと開催を決めた。1回でやめるつもりはなく、いろいろな立場の方の声を聞きながら続けていきたい。当事者、非当事者どちらにも意義のある映画祭になっていけたら」と話す。

 上映時には作品の監督や関係者をゲストに招いてのティーチイン、トークを開催する予定。会場の休憩スペースにはLGBTをテーマにした書籍、漫画などを展示する。

 シアターカフェでは関連企画として現在、性同一障害をカミングアウトして活躍するフォトグラファー石橋磨季さんの個展を開催中。さまざまな航空機写真を展示している。5月31日まで。
 5月23日には同祭の交流パーティーを開催。参加者が映画について語り合い、ゲストとの交流を行う。

 映画祭の入場料は1作品=1,000円、通し券(長編3作品)=2,500円(当日は300円増)。各回の定員は60人。入替制。無料上映は整理券配布。
 交流パーティーは17時30分から。料金は1ドリンク付で1,500円。フードの持ち込み自由。

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