ザ・ピーナッツ幻の曲「今池音頭」-商店街がCD化、限定発売へ

ザ・ピーナッツの「今池音頭」発売に向けて作成されたチラシ

ザ・ピーナッツの「今池音頭」発売に向けて作成されたチラシ

  • 5

  •  

 今池商店街(名古屋市千種区)は9月23日・24日、「今池まつり」の開催にあたり、レコード会社のキングレコード(名古屋営業所=中区新栄1)の協力を得て、1961年に発売され「幻の曲」と言われていたザ・ピーナッツの「今池音頭」をリマスタリングし、CD化して発売する。

[広告]

 今年で19回目を迎える「今池まつり」は、北、西南、東南と3つの商店街が合同で行う祭として1988年に始まった。「今池の街のいい意味でのわい雑さが、特色のないものになっていくことへの抵抗」として、代理店などは入れず、商店街の人々による「手作りのイベント」である点が特徴。会場に設置されたステージではこれまで、ボアダムス、かまやつひろし、近藤房之助、木村充揮、原爆オナニーズ、ECD、ルインズ、遠藤賢司といった、個性的なミュージシャンが演奏を披露してきた。

 そうした個性的な街「今池」の歌「今池音頭」を歌う「ザ・ピーナッツ」は、1959年にデビューした名古屋出身のキングレコード所属の実力派双子デュオ。「メリハリの利いた歌声と、綺麗なハーモニー、ユニゾンの見事さと独自の音楽センス」(山田さん)で多くの人々を魅了し、1975年に引退するまでさまざまなヒット曲を世に送り出してきた。引退後もボックスセットがいくつか販売されるほど現在でもファンは多く、往年のファンから新たにザ・ピーナッツを知ったという若い人まで年齢層も幅広いという。

 今回の「今池音頭」のCD販売は、今池地区のみでしか行われない。これは、当時も名古屋地区限定で発売されたことに由来するもので、今池のユニーやダイエーのサービスカウンターでも販売する予定。

 「今池音頭」CD化の経緯について、今池のライブハウス「TOKUZO(トクゾー)」オーナーの森田さんは「80年代中ごろくらいに『今池音頭』の存在を知り、なかなか格好いいなと思ったのを覚えている。その後、93年ごろにNHKラジオでかかったものを居酒屋『六文銭』のマスターが偶然録音したものを皆で聴いたりしていた。2001年には饅頭屋『松月』の堀さんが『今池音頭をなんとかしよう』と今池まつりで流したり、アレンジしたりして皆で踊ったが、それ以降続くことはなかった。そんな折、今年の6月に寿司屋『萬福鮨』の店主がどこから手に入れたのか、CDRに焼いた『今池音頭』を持ってきた。彼はこの曲をCDとしてシングルリリースできないかと思っていたようだ。改めて聴いてみるとこの曲は老若男女問わず、今の若い人たちにも十分受け入れられる要素がある。なおかつ、古い商店街の人たちも楽しめる絶好のテーマソングになりうるのではないかと思ったことから、キングレコードに務める古くからの知り合いに連絡をとってみた。すると、トントン拍子に話は進み、キングレコードが特別にリマスタリング、プレスし、それを商店街がすべて買い取るという条件で、最初のコンタクトから3カ月経たないうちに1,000枚が納品された」と話している。

 そもそも「なぜ、ザ・ピーナッツが今池の歌を歌ったのか」という問いに対して、ザ・ピーナッツのファンサイトを名古屋で運営する山田さんは「ザ・ピーナッツがデビューした翌年の9月、名鉄ホールで凱旋(がいせん)公演が行われた。それと同時に『ザ・ピーナッツ後援会名古屋支部』の発足式も開催されている。この後援会の会長を務めていた浜口さんは『今池の中心』と言える位置で新聞店を経営していた。曲が作られた背景についてはっきりとした記録が残っているわけではないが、私の想像では、名古屋地区の後援会の発足記念と、ザ・ピーナッツのファンだった今池在住の浜口さんが後援会会長になったことに絡め、地元今池の発展のために、名古屋出身のザ・ピーナッツに地元の歌を特別に依頼したのでは」と話している。

 CD発売について山田さんは「引退から32年が過ぎた今もなお、ザ・ピーナッツの新しいCDが出ることは、ファンにとってこれほどうれしいことはない。特に今回は今池商店街の皆さんの力でCD発売に至ったということなので、感謝の気持ちで一杯」と話している。

 CDは初回プレス分がなくなり次第、再プレスをかける予定。山田さんが運営するファンサイトでも限定で30枚を通信販売用に用意した。すでに全国から問い合わせがきているという。価格は1,000円。

今池まつりTOKUZOPEANUTS HOLIDAY(ザ・ピーナッツ ファンサイト)

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース