久屋の再生ビルに新商業空間-「丁寧な仕事、丁寧な暮らし」テーマに

「久屋鍛冶町ビルヂング」に生まれ変わるビル

「久屋鍛冶町ビルヂング」に生まれ変わるビル

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 「丁寧な仕事、丁寧な暮らし」をテーマにした商業施設「久屋鍛冶町ビルヂング」(名古屋市中区丸の内3)のプロジェクトが進行している。場所は久屋大通り沿い、栄北側。

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 1965(昭和40)年ごろに建てられたビルをリノベーションし、食品を販売する店舗や靴を扱う店舗などが入居する同プロジェクト。「街づくりのプロデューサー」の石黒靖敏さんがプロデュースを手がける。

 1階・2階は約100坪、3階・4階は約30坪の地上4階建て。1階は天井までの高さが約5メートルある広い空間で、歩道に面した大きなガラス窓はすべて開放でき、外から見ると奥までが見通せるなど開放感のある造りが特徴。

 1階は野菜類、納豆・豆腐などの豆製品、乾物、乳製品などの売り場を設ける。人気を集める碧南市の食料品店「イクタフード」の監修で展開する。奥にはアイランド型のオープンキッチンを設け、調理する姿を360度から見ることができる。キッチン前にはカウンター、中2階にはユーズド家具を使ったカフェコーナー設けランチも提供する。キッチンで作ったデリやスイーツは店内でパック売りも行う。そのほか、奥の壁に沿ってワイン売り場を設けるほか、一角にパンの販売コーナーも用意する。オリジナルのトートバッグも販売。

 2階は精肉と鮮魚の売り場。肉をぶら下げて見せる演出や対面販売などで工夫を凝らす。調味料、菓子類、菓子作りの材料などを扱うグロサリーも設け、「ほかで売られていない、知られていない流通に乗らない商品を扱う」(石黒さん)。窓際の一角では今後、ワイン教室や、レストランのシェフなどを呼び料理教室も開くという。「家庭で再現できるよう、厨房は家庭用のものを用意」する。

 3階は靴を扱うフロアで、オーダーメードショップをはじめ、靴作りの教室、ガラス張りで作業を見ることができる工房も併設。このために浜松から招いた靴職人が常駐する。

 4階はスタジオ、ギャラリースペース。テーマに沿って丁寧な仕事をしているが、店を出せない、商品を流通できない「いいもの」を集め、ワークショップや期間限定店などで企画・展示する。「いいものを作っているまたトライする、個人、企業、それを守っている人を応援する」。

 同ビルがある久屋大通りの北部エリアはランドマークもなく、人通りも少ない。「まずこのビルを認知してもらい、このストリートの活性化につなげたい。地場産業が下向きになっている今でも、頑張る人、企業、新しいものに挑戦する人たちをつなげて、人の暮らしが豊かになれば」と石黒さん。「人の生活や暮らしを感じる」ことから、公園の近くというロケーションにこだわったという。公園の反対側は東区・泉、白壁でたくさんのマンションがあり、そのエリアの住居者をターゲットにするほか、栄の中心地にも近いため会社帰りに立ち寄るビジネスマン・OLなどの利用も見込む。

 ビルのイメージについて石黒さんは「一見工場を思わせるような雰囲気で、鉄骨、金属といった骨太な印象。その中に、野菜を木箱に入れて売るマルシェのような演出や、オシャレな小物を飾るなど、ハードなイメージとかわいさをミックスする。生活感がない高級、スタイリッシュではなく、ゆったりとした暮らしが見えるようなデザインにする」。

 オープンは7月中旬を予定。

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