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伏見ミリオン座で大島優子さん主演映画「ロマンス」 タナダユキ監督が来名

来名したタナダユキ監督

来名したタナダユキ監督

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 栄の映画館「伏見ミリオン座」(名古屋市中区栄1)で9月5日から、映画「ロマンス」が公開される。公開に先立ち、タナダユキ監督が来名して会見を開いた。

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 「ふがいない僕は空を見た」「四十九日のレシピ」などを手掛けたタナダ監督の最新作となる同映画。箱根の景勝地を舞台に特急ロマンスカーのアテンダントと映画プロデューサーの小さな旅と心の交流を描く。主演の大島優子さんはAKB48卒業後の初主演映画となる。

 成績優秀でつつがなく日々の業務をこなしているアテンダントの鉢子(大島さん)の元に、何年も会っていない母からの手紙が届く。鉢子は手紙を捨てるが、乗客の怪しい映画プロデューサー・桜庭(大倉孝二さん)に読まれてしまう。桜庭に背中を押された鉢子は母親を捜す小さな旅に出る。

 タナダ監督にとって「百万円と苦虫女」以来、7年ぶりのオリジナル作品。「主人公の年齢は大島さんに合わせた。親が親らしくないことをすると、子ども目線では責めることができる。でも26歳くらいの社会人になると、親なりの苦労も、うまくいかなかったことも、ちょっとずつ分かるようになってくる。分かってもうまく処理しきれず、自分に対してもイライラする。この年齢特有の親や自分に対する向き合い方を表現できればと思った」と話す。

 主演の大島さんについては「肝が据わっている。ロマンスカーの回送車を借りての時間に制限のある撮影や、天気の安定しない現場など、スタッフも慌ててしまうことが多かった。そういう空気はキャストに伝染することがあるが、大島さんはまったく影響されずに朗らかに過ごしてくれた。彼女の明るさに救われた」と絶賛する。

 鉢子と珍道中を繰り広げる映画プロデューサー・桜庭には、監督自身を投影した部分もあるという。「桜庭は自分の年齢に近いこともあって、思いをストレートに託している。毎回、もう嫌だ、もう無理だと思っているのに、映画作りを続けてしまっているところとか。大倉さんは20年近く前に舞台を見て、いつか一緒に仕事をしてみたいと思っていた俳優。大島さんとの相性は抜群で、現場では2人の会話を聞いているだけで面白かった」と話す。

 監督は「ロマンスという言葉は現在進行形の時や、成就したものに対してはあまり使わない気がする。別れがあって、それを思い返した時に、ロマンスだったと表現されるイメージ。人が出会ったら別れは必ずあるのに、私たちは普段そのことを忘れて生きている。人生に後悔はつきものだということも、嫌というほど分かっている。別れも絶対来るし、後悔も避けることができないのなら、せめて納得のいくような後悔にするにはどうしたらいいのかなと考えながら作った映画」と話し、「ぜひ映画館に見に来ていただけたら」と呼び掛けた。

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