市川團十郎さん、処女作「黒谷」公演に向け会見-名古屋むすめ歌舞伎と

建中寺で会見をする市川團十郎さん(中央)と市川櫻香さん(左)

建中寺で会見をする市川團十郎さん(中央)と市川櫻香さん(左)

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 12代目・市川團十郎さんが三升屋白治(みますやはくじ)のペンネームで初めて書き下ろした脚本による舞踊劇「黒谷(くろだに)」が6月27日、名古屋能楽堂(名古屋市中区栄三の丸1)で上演される。それに先立ち5月27日、建中寺(東区筒井1)で合同記者会見が開かれた。主催は「市川櫻香(おうか)の会」。

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  名古屋むすめ歌舞伎は、團十郎さんの長女・市川ぼたんさんと一緒に舞台を務めるなど「市川家と名古屋むすめ歌舞伎との縁は深い」(團十郎さん)。そうした縁の中、團十郎さんが市川櫻香の会を「手伝う」ことになり、2007年11月、1回目の公演を成功させた。続く第2回の企画段階で團十郎さんの白血病が発覚。激しい闘病生活を抜け、少し落ち着いてきたころに「何かすることはないか」と入院中のベッドの中でこつこつと書き始めたのが「黒谷」だったという。同作では、歌舞伎「一ノ谷嫩軍旗(いちのたにふたばぐんき)」で描かれる熊谷次郎直実のその後を描く。

 江戸時代から歌舞伎役者が脚本を書く際には、しゃれに富んだ「ペンネーム」を付ける習慣があるという。團十郎さんが明かした「白血病が治ったことを名前にしようと思い「白治(はくじ)」と付けた」というエピソードには、会場からは温かい拍手と笑いが起こった。病気を通じて團十郎さんは「体の中には約60兆の細胞がある。これらが一生懸命働いて体を動かしてくれているんだと気付いた。これからは、細胞一つひとつをねぎらって無理をしないでいこうと思った」とも。

 名古屋むすめ歌舞伎には「(芸能文化が)発展していくには、当人たちの努力だけではだめで、やはり『スター』を出すことが大切。そうしたことからもここ『名古屋むすめ歌舞伎』の中からもスターを誕生させてほしい」とエールを送った。

 6月27日の公演は17時から。料金は、SS席=15,000円、S席=13,000円、A席=11,000円、B席=7,500円、C席=6,000円、D席=4,000円。

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