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「アートラボあいち長者町」閉館前最後のプロジェクト 2アーティストが展示

「まちとsynergism」オープニングイベントで滞在制作の感想を語る黒田大祐さん(中)と川田知志さん(右)

「まちとsynergism」オープニングイベントで滞在制作の感想を語る黒田大祐さん(中)と川田知志さん(右)

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 錦の「アートラボあいち長者町」(名古屋市中区錦2)で3月11日、アート企画「まちとsynergism」成果展が始まった。

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 「アートラボあいち」は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」や現代アートに関する情報の提供、愛知県内の芸術系大学と連携した定期的な展覧会の開催などを行う施設として、大津橋と長者町に2015年8月にオープン。3月末で長者町を閉館し、大津橋に活動を集約していくことが発表された。

 「まちとsynergism」はアートラボあいち長者町で行われる最後の企画。「滞在制作を通して長者町地区の地域資源を生かすこと」をテーマに制作プランを公募し、審査によって選ばれた黒田大祐さんと川田知志さんが長者町に滞在しながら作品制作を行った。

 黒田さんは、2月10日から滞在して中区を中心にリサーチ。名古屋城を起点に歴史を掘り下げていくなかで見つけたものや、その周辺に潜むものを可視化し、ある一つの世界観を同館4階で「ハイパーゴースト」と名付けて展開した。「アリゲーターガーの為の3つのアプローチ」「いつかのひこうき-名古屋」など5作品を展示し、個別の作品を巡ることで、鑑賞者自らが歴史について意識を向けるきっかけになれたらという。

 川田さんは1月20日から滞在制作を開始。アートラボあいち長者町が入っている「玉屋ビル」の取り壊しが決まっていることに着目。新旧の混在する長者町を象徴する建物に直接的にアプローチする作品「ノーサイド」を展開した。川田さんは5階展示スペースと、各階をつなぐ階段の踊り場壁面、屋上に壁画を制作。都市の中で記憶の痕跡がどのようにしてでき得るのかを、今回の制作に重ねているという。

 11日夕方にはオープニングイベント「アーティストに聞く」を開催。あいちトリエンナーレ2016で国際展キュレーターを務めた服部浩之さんを司会に、黒田さんと川田さんがそれぞれの作品作りや今回の滞在制作で感じたことなどを語った。

 成果展では今後、さまざまなイベントを予定している。18日には開館前の展示室で朝食を取りながら作品を楽しむ「Art & Breakfast Day」、25日には企画担当者の作品ガイドを聞きながら鑑賞できる「まちとsynergismガイドツアー」、31日には「アートラボあいち長者町クロージングパーティー」を行う。

 成果展は今月31日まで。開館日は水~日曜。開館時間は11時~19時(日曜は13時~17時)。入場無料。アートラボあいち大津橋にも一部の作品を展示している。

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