日本舞踊「西川流」が、栄の成田山萬福院(名古屋市中区栄5)で8月22日、舞台「名古屋をどりNEO傾奇者(かぶきもの)」の成功祈願の祈祷(きとう)を行い、西川流四世家元の西川千雅さん、出演者ら約50人が護摩祈願を受けた。
名古屋をどりは、西川流が1945年から開催している舞台。近年は日本舞踊を核としながら、演劇、音楽、アクション、映像など多彩な表現を組み合わせた「NEO」として発表している。
79回目となる今回は岡谷鋼機名古屋公会堂(昭和区鶴舞1)の全館を使用し、10月24日・25日に開催。1階の大劇場で公演を行い、2階、4階ホールなどで中部圏の名産品やグルメが並ぶマルシェを設置する。特設ステージでの無料イベントなども開催予定。
大劇場は2部構成。第1部は、3つの演目を上演。「序之幕 華舞」は、若い舞踊家たちによる舞台。「二之幕」では長唄2作品を上演し、古典の魅力を伝える。
第2部は、千雅さんが作・演出・作舞を務める「NEO舞踊劇」の新作「仇討ちの福音」を上演。日本三大仇討ちの一つとして語り継がれる「曽我の仇討」と、イエス・キリストの生涯という時代も文化も異なる2つの物語を結びつけ、「復讐に救済はあるのか」という大きな問いを投げかける。
フィギュアスケーターの高橋大輔さんが昨年に続き特別出演で、主役の曽我五郎を演じる。弟思いの兄・曽我十郎を大衆演劇「ナゴヤ座」の名古屋山三郎さん、十郎の恋人・虎御前を「BOYS AND MEN」の本田剛文さんが演じ、虎御前の声をOSK日本歌劇団の華月奏さんが務める。
人形浄瑠璃文楽座の太夫で、最高位の「切語り」を務める十一代目 豊竹若太夫さんも特別出演。オリジナル作品「GOSPEL in 文楽」に由来する詞章と楽曲を用い、義太夫の語りと三味線で聖書の世界を上演する。
護摩祈願を終えた千雅さんは「30年以上、萬福院にご祈祷をお願いしているが、いつも心が引き締まる」と話した。
今回の新作舞踊劇について「昨年はライトでコメディー的な部分もある作品だったが、今年は復讐劇と救済という、とてもシリアスな内容。より、芸術的、意欲的なチャレンジになっている」と話す。
特別出演の2人については「高橋さんは、特別ゲストとしては初となる2年連続の出演。昨年とはまた違う高橋さんを見せたい。若太夫さんはクリスチャンで、彼のライフワークである『GOSPEL in 文楽』が舞踊劇に組み込まれるのは、今回の大きな見どころ。文楽は人形を使うが、今回は人間である西川流の踊り手がその世界を表現する。日本舞踊、現代劇、文楽が融合し、フィギュアスケーターや踊り手、ダンサー、アクション俳優らが集結する物語空間を楽しんでほしい」と話す。
成功祈願を終えた西川流の踊り手らは、栄で行われた「広小路夏まつり」のパレードに参加。約70人が扇子を手に総踊りを披露し、公演への来場を呼びかけた。
大ホールの開演は両日とも11時、17時。入場料はSS席=1万1,000円、S席=8,800円、A席=5,500円。