南大須エリアを会場にした「南大須ECHOES(エコーズ)芸術祭」が9月26日、始まる。主催は門前町南部商店街振興組合。
「本願寺名古屋別院(西別院)」(名古屋市中区門前町)をメイン会場に、アート展示や伝統工芸のワークショップ、マルシェなどを展開する。開催は今回が初めて。
テーマは「時の重なり、まちの記憶、受け継ぐ手」。仏壇・仏具店などが並び、古くからの建物や文化と新しい店や活動が混在する南大須を舞台に、地域に受け継がれてきた歴史や技術、人々の思いをアートや工芸を通して伝える。建て替えなどで町並みが変化する中、普段は通り過ぎてしまう店や建物にも目を向けてもらい、地域を歩きながら南大須の文化や記憶に触れてもらうことを目指す。
「ECHOES」の名称は、仏教用語の「回向」と、英語でこだまを意味する「ECHO」を重ねたもの。受け継がれてきた物や技術に込められた思いが、時代を超えて町に響き広がってほしいという願いを込める。
10月3日・4日は本願寺名古屋別院でメインイベントを開催。有松絞りなどの伝統工芸のワークショップ、からくり人形やおはやし、マルシェ、音楽、アートパフォーマンスなどを展開する。見るだけでなく、実際に手を動かしたり、作り手と交流したりしながら、地域に受け継がれてきた文化や技術に触れられる内容にする。
会期中は南大須一帯の店舗や施設でもアート作品や町の歴史を紹介する写真を展示する。会場の一つとなる旧中村屋提灯(ちょうちん)店は、明治時代に建てられた建物。商店として使われていた当時の面影を残す小上がりなどがあり、今回、初めて展示会場として貸し出され、彫刻家による作品展示を行う。仏壇・仏具店には、尾張地方の工芸品などを販売する期間限定ショップを設ける。複数の会場を巡ることで、普段は入る機会の少ない店や町の風景にも触れてもらう。
全体のディレクションを担当する村上式子さんは「手仕事を営んできた古い店や歴史ある建物が失われ、マンションなどへの建て替えで町並みが変化していくことに寂しさやもったいなさを感じている。芸術祭を通して、まずはこうした建物や町の歴史を知ってもらいたい」と話す。
メインイベントは両日10時~16時。入場無料。一部体験は有料。アート展示と期間限定ショップは10月12日まで。開催時間や休業日は各会場で異なる。